新人看護師は、誰もが希望に燃えています。長く厳しい道のりを経て、国家資格を取得し、念願の看護師になったのですから、気持ちが高ぶってしまっても仕方のないことです。しかし、そんな希望に燃える新人看護師に意外な落とし穴が口を開けていますので、注意が必要です。
新人看護師は慣れない世界(新しい職場)に足を踏み入れたことで知らないうちに緊張やストレスが積み重なり、自覚のない疲れに襲われることがあります。そんな疲れがミスの原因となり自信を失い、先輩看護師に怒られ、落ち込んでしまうことで「燃え尽き症候群」になってしまうことがあります。
それまでひとつの物事に没頭していた人が、心身の極度の疲労により燃え尽きたように意欲を失い、社会に適応できなくなること。
引用:e-ヘルスネット
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新人看護師の頃は焦る気持ちをグッと押さえて肩の力を抜き、リラックスすることを心がけましょう。看護師として最初の1年はその後の人生を決める大切な1年です。この1年の間に職場を辞めてしまうと、とても厳しい状況となってしまいます。そのため、最初の1年で「燃え尽き症候群」になってしまわないように適度に肩の力を抜き、頑張りすぎないことがポイントです。
頑張り過ぎないようにと言ってもコントロールは難しいものです。さらに新人看護師は自分が抱いていた理想と現実のギャップにも苦しむことになります。そのギャップが「燃え尽き症候群」のきっかけとなってしまうこともあるので気を付けましょう。
看護師の仕事は人の命に関わる患者に寄り添ったもので周囲から見ると良い面ばかりが目につきます。しかし、実際には精神的にも肉体的にも大変な仕事で雑務に忙殺される下働きのような面もあることを覚えておきましょう。
看護師に限らず新社会人の多くの人が、自分が思っている以上にフル回転で毎日を過ごしています。仕事を覚えるだけでなく、慣れない通勤や周囲の環境、新しい職場での人間関係など常にストレスにさらされています。仕事と関係のない部分でも知らないうちにエネルギーを使っていて無自覚のまま仕事に対してもフル回転で臨んでいます。しかし、ずっとフル回転でいることはできません。すぐにエネルギー切れに陥ってしまいます。
頑張ることは日本人としての美徳ですが、そのことで自分がつぶれてしまっては元も子もありません。心身共に体調管理をすることも看護師としての仕事の一部です。先輩看護師から指示された仕事をきちんとこなすことだけを考え、それ以上に仕事を見つけて頑張ろうと思わなくても大丈夫です。長く続けることを目標に肩の力を抜いて仕事にあたりましょう。
ごあいさつ
わたしは企業のメンタルヘルスのカウンセラーですが、最近では医療関係者のメンタルヘルスチェックに携わる場面が増えています。その際、新人看護師さんからお悩みの相談を受けることが多々あり、それぞれにアドバイスをして感謝の言葉をいただくことが結構あるのです。訪問していただいた方にとって何らかのヒントでも提供できれば、と思っています。 このサイトへのお問い合わせはこちらからお願いします。お問い合わせフォーム